勘と経験の飲食事業にデータに基づいた
ロジカルツールが加わり最強チームに

株式会社てりとりー 様

てりとりーは大阪・沖縄で沖縄料理店、日本酒専門店、チューハイ専門店を11店舗展開しています。飲食業という枠にとらわれることなく、カフェ、イベント、夏フェス、沖縄リゾート等 『みんなの「楽しいカタチ」を創りたい。』 現在はそんな想いを胸に、みんなの楽しいをカタチに実現していきます。本土では手に入りにくい沖縄食材をお安くご提供するEC事業も行っています。

代表取締役 福本様

需要予測AI導入の背景と効果

会社にどういう課題がありましたか?

当社は9店舗の飲食事業を営んでいます。店舗が増え始めた頃から、私自身が常に店舗に出向くことが難しくなると同時に、店長の育成の必要性を感じるようになりました。
と言うのも経験豊富な店長と、新人店長ではどうしてもスキルに差があり、その差を埋めることが会社として経営の安定化に必要な為です。

特に、経験の差が出ることの一つに、“予測”に関する作業です。例えば、毎日の客数や注文数の予測。こういった予測に基づいて仕込みやアルバイトのシフト決めなどをします。

更には、1日や1ケ月の売上や利益の予測。こういった売上・利益計画を各店長が定めて、これら目標値に向かって実現可能な戦略を立てる。これらのスキルが、店舗運営には必須です。

しかし、経験の蓄積は一朝一夕では成りません。店舗が増えれば増えるほど、つまり新人店長が増えれば増えるほど、この店長の経験値の差という課題を強く実感するようになりました。

なぜROX社のAI-Hawk-を選びましたか?

そんな課題を抱える中、かねてより付き合いのあった株式会社ROXが、経験の浅い店長でも使えて、店舗運営をサポート出来る人工知能システムを開発したと伺ったので、興味を持ちました。

そもそもROX社には、まだ店舗数が今の半分以下だったころに、データ分析でお世話になったことがありました。その時には、店舗に蓄積されたデータを分析してもらい、「女性向けよりも男性向けメニューやドリンクを充実させた方が、売上向上が見込める」等のアドバイスを得ました。

その後、実際に男性向けメガハイボールなど男性向けメニューを複数売り出し、それがヒット。勿論、当社の店舗数が倍増するまでに伸びたのはデータ分析の力だけではありませんが、ROX社は要所要所で良いサポートをしてくれた印象がありました。よって、今回も同社の新規リリースしたAIにはすぐに興味も持ちました。

また、導入しやすかった点として、店舗にビデオカメラや大規模なPOSレジシステムなど導入しなくて良いというのも大きかったですね。インターネットにつながるパソコンがあれば、それだけですぐに使えるAIシステムは他には無いとの印象です。導入のしやすさも大きなポイントでした

AI-Hawk-を導入してどのような効果がありましたか?

当社は、主に2つのことに使っています。

1つ目は、アルバイトのシフト検討への活用です。

AI-Hawk-は45日先まで客数予測値を出力してくれます。この予測値を使って、シフトを何人入れるかの検討をしています。
当社は9店舗ありますので、アルバイトを5人入れたい店長もいれば、3人入れる店長もおり、アルバイトのシフト決めに軸がありませんでした。また、店長の経験値、スキルによって、シフト決めの上手い下手のバラツキも出ます。
これをAI-Hawk-を使うことによってシフト決めの指針となる軸ができたのが大きいです。この軸があると、シフト決めで迷いがちな新人店長でもスムーズにシフトを決定することも可能です。

また、シフト決めもベテラン店長はスムーズに効率よく最適な人数を配置できますが、なかなか技術伝承が難しい面もあります。それがAI -Hawk-の予測値を軸に考える方法は非常に伝達がしやすいというメリットもあります。

また、人件費も最適化できている印象があります。シフト決めの苦手な店長は、それ自体に時間がかかることもあります。店長の作業時間の短縮になっているとの手応えもあります。

更に、AI-Hawk-は時間毎の客数の予測値も出力してくれます。これを活用し、今後は「今日は暇になりそうだからアルバイトには早くあがってもらおう」などの判断の活用を考えています。

2つ目の活用方法は、経営者的な視点での活用です。

各店長には毎月売上の目標数値を出してもらっています。ただ、この売上の目標数値は各店長の意気込みも加わった、高めの目標売上となっていることがほとんどです。経営者として、それはそれで頼もしいことなのですが、一方で冷静且つ客観的にどれぐらいの売上や利益が今月見込めそうか、というところも気になります。

AI-Hawkでは45日先までの日々の売上予測も可能です。AIですので、当然ながら客観的なデータのみに基づいて予測をしてくれます。この機能を使って、各店長と売上目標数値の妥当性や課題などを、客観的に議論しています。あたかも、外部コンサルタントが一人スタッフとして増えたようになっていますね。

他に社内が変わったなど効果を感じることがありますか?

いくつかありますね。

飲食業は、まだまだ属人性が強く、ベテランの勘や経験がまかり通る業界かなと感じています。当社もそういう雰囲気はありました。特に当社は、元気と勢いのある社風なので、穏やかに立ち止まって分析するということは少々不得手にしている面もありました。
しかし、Hawkを使うと、“データ”というものが社内的に頻繁に出てくるようになりました。それにより、データに基づいて判断したり、分析しようというマインドがスタッフに醸成されてきました。これは大きな財産だと感じています。

先日も、新人の女性スタッフが、「社長!今日はAIの売上予測以上を頑張って売るぞ!と目標を立てて、その結果、みんなで頑張ってAI予測以上に売りましたよ!」と言ってきました。この発言は、実は大きな進歩なんです。
これまでは、みんな頑張ってはいるのですが、闇雲にただ毎日頑張っていた感がありました。それがいい意味で変わってきていることを示す発言だと思いました。つまり、AIというモノサシが加わってから、それをベンチマークするという仕事の仕方に変わってきたと言えます。

導入当初、ROX社から、「AI-Hawk-は過去の店舗ごとの実績や天気予報などから、統計的に最も確からしい予測値を計算するもの」という説明を受けていたので、それを社内にも共有しています。
言い換えれば、「淡々と何の努力もしなければ、AIが示す売上になるぞ」ということになります。ここに、各店長の努力シロが発生します。故に各店長は、「xxxx万円売上を伸ばさねばならない、そのためには〇〇という作戦をやろう」などと定量的且つ具体的なアクションプランに落とし込めるのです。
このような論理的な思考は、なかなか継承が難しいのですが、Hawkがその一端を担ったと言えるでしょう。

上述の通り、AI-Hawk-を使ってから、新人スタッフもAIを使ってデータに基づいた行動が出来るようになってきています。当社は元々が元気と勢いは他社に負けないチームです。そこに分析や論理力が加わり、最強のチームになりつつあると実感しています。

今後はどんな発展をお考えですか?

当社は昨年は大阪北新地でチューハイ専門店、今年は新たに沖縄で飲食店を始めるなど、新店舗を続々と出店しています。一般的にはAIは新規店舗での需要予測は難しいと聞いていますが、ROX社の技術力で、少ない期間の店舗のデータでも、予測計算が出来るとのことです。AI -Hawk-も進化しているようなので、当社のステップアップに合わせて、Hawkの新機能もどんどん使っていきたいと思っています。